【２０１２年３月９日追記】
平成２２年度 文部科学白書 ２０１０ 「東日本大震災への対応」の９ページに掲載されました全文を転載させて頂きました。
「気仙沼市立階上（はしかみ）中学校の卒業式における卒業生代表梶原裕太君の答辞」
卒業生代表の言葉
本日は未曽有の大震災の傷も癒えないさなか，私（わたくし）たちのために卒業式を挙行していただき，ありがとうございます。
ちょうど十日前の三月十二日。春を思わせる暖かな日でした。
私（わたくし）たちは，そのキラキラ光る日差しの中を，希望に胸を膨らませ，通い慣れたこの学舎を，五十七名揃って巣立つはずでした。
前日の十一日。一足早く渡された思い出のたくさん詰まったアルバムを開き，十数時間後の卒業式に思いを馳せた友もいたことでしょう。「東日本大震災」と名付けられる天変地異が起こるとも知らずに...。
階上（はしかみ）中学校といえば「防災教育」といわれ，内外から高く評価され，十分な訓練もしていた私（わたくし）たちでした。しかし，自然の猛威の前には，人間の力はあまりにも無力で，私（わたくし）たちから大切なものを容赦なく奪っていきました。天が与えた試練というには，むごすぎるものでした。つらくて，悔しくてたまりません。
時計の針は十四時四十六分を指したままです。でも時は確実に流れています。生かされた者として，顔を上げ，常に思いやりの心を持ち，強く，正しく，たくましく生きていかなければなりません。
命の重さを知るには大きすぎる代償でした。しかし，苦境にあっても，天を恨まず，運命に耐え，助け合って生きていくことが，これからの私（わたくし）たちの使命です。
私（わたくし）たちは今，それぞれの新しい人生の一歩を踏み出します。どこにいても，何をしていようとも，この地で，仲間と共有した時を忘れず，宝物として生きていきます。
後輩の皆さん，階上（はしかみ）中学校で過ごす「あたりまえ」に思える日々や友達が，いかに貴重なものかを考え，いとおしんで過ごしてください。先生方，親身のご指導，ありがとうございました。先生方が，いかに私（わたくし）たちを思ってくださっていたか，今になってよく分かります。地域の皆さん，これまで様々なご支援をいただき，ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
お父さん，お母さん，家族の皆さん，これから私（わたくし）たちが歩んでいく姿を見守っていてください。必ず，よき社会人になります。
私（わたくし）は，この階上中学校の生徒でいられたことを誇りに思います。
最後に，本当に，本当に，ありがとうございました。
参照：
平成２２年度 文部科学白書 ２０１０ 「東日本大震災への対応」
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab201001/1311678_003.pdf
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これは被災した宮城県気仙沼市立階上（はしかみ）中学校卒業式での卒業生代表による答辞の中に織り込まれた言葉です。
当時、卒業生１名が死亡、２名が行方不明という中で行われた卒業式です。
百聞は一見に如かず。
今の所、動画がアップされておりますので、ご覧下さい。（階上中学校は避難場所でもある為、卒業式は避難しておられた皆さんも見守る中で行われました）
こちらです。 → http://www.dailymotion.com/video/xhu4k4_yyyyy_news#.UNEzWOTzf6V
（たびたび削除され、私も時折、チェックして残っているものに貼り変えていってはおりますが、ご覧になった際に削除されておりましたら、ご容赦下さい）
私（代表 片桐）はこの答辞の存在を、昨日（１日）の日経新聞 夕刊 第７面のプロムナードのさだまさしさんの「少年の叫び」で知りました。
そして私はこの答辞を知るまで、今回の震災のむごさについて、どこかで「日本が何をした 東北が何をした」と思っていました。
投稿者:株式会社コストダウン 日時:20:51 | 記事URL
