本日(8日)の日経朝刊 第9面に記事掲載されました。
関西電力の「計画調整特約」とは契約電力500キロワット以上の大口需要家向けの割引制度で、契約先が長期休日を設けたり、電力ピーク時の消費電力を下げた場合に適用し、割引条件は顧客ごとに決めます。(ちなみに超大口の需給逼迫時に強制的に電力供給を止める代わりに料金を割り引く「瞬時調整特約」は24社と結んでいます)
関電ではこの「計画調整特約」の営業を強化しており、同制度の加入を約500件と東日本大震災前の約2倍に増やしたということです。
また契約電力50キロワット以上~500キロワット未満の中規模需要家でオフィスビルや店舗向けには「夏季需給調整特約」を新設し、7~9月の間、1ヵ月ごとの最大消費電力(いわゆるデマンド値で契約電力・基本料金に関わる値)が昨年同月を下回れば、1キロワットの節電につき約700~1000円を翌月の電気料金から割引します。
さらに中規模需要家で工場向けには月内に新たな割引制度を導入します。
ここで最大消費電力(デマンド値)ですが、高圧受電の需要家に電力会社は30分最大需要電力計(デマンド計)の組み込まれた電子式電力量計を取付けて需要家の電気の使用量を計測しています。
30分最大需要電力計は、30分間※1の電気の使用量を計測し平均使用電力(kw)を出します。そして1ヶ月(計量期間※2)の中で最大の値を記憶し表示するようになっています。
つまり、30分間の電気の使用量からもとめた平均使用電力が30分デマンド値です。
そして、1ヶ月の中で最大の30分デマンド値がその月の最大需要電力(デマンド値)になります。
※1 30分間とは、毎時ごとの0分~30分、30分~60分の30分間です。
※2 計量期間とは、あらかじめ決められた前月の計量日から、当月の計量日の前日までの1ヶ月間です。
電気料金は、基本料金と電力量料金の合計となります。基本料金計算の根拠となるのが最大需要電力(デマンド値)です。
高圧受電500kW未満の需要家の場合、その月と過去11ヵ月の最大需要電力(デマンド値)の中で最も大きい値が基本料金の計算に使用されます。つまり、一度でも大きなデマンド値が出ると、1年間そのデマンド値が適用されます。
高圧受電500kW以上の需要家の場合、協議により契約電力が決められています。最大需要電力が契約電力を超えると、通常より割増の違約金を支払うことになります。また、最大需要電力(デマンド値)をもとに、新たに契約電力変更の協議が行なわれます。
多くのオフィス、店舗、工場の年間の最大デマンド値は7月や8月に計測されます。昨年の夏は酷暑で、一昨年より基本料金・契約電力が増えた会社が多いのではないでしょうか。
それを今夏、節電により落とすことが出来れば、割引を受けることができるだけでなく、向こう1年間、基本料金を引き下げることも出来ます。
最後に、昨日、弊社のお客様に関電の担当者を呼んでもらい、節電についての説明に同席させてもらったのですが、中規模需要家向けの割引制度(そのお客様は製造業で工場系でしたが)を受ける為には、予め申し込みが必要です。そうしなければたとえ最大需要電力を下げたとしても割引を受けることが出来ません。(ただ、特に昨年、7月や8月に年間の最大デマンド値になり、契約電力が変わってから1年経過する会社は、割引と同時に契約電力も下がることになるのかは、大丈夫だとは思いますが、念の為に関電に確認して下さい)
今の時期、電力会社から来る特別な案内は要チェックです。通常ものは総務・経理だけ目を通せば良かったと思いますが、経営陣にも目を通してもらうようにしましょう。
以上、皆様のお役に立てば幸いです。
投稿者:株式会社コストダウン 日時:04:29 | 記事URL