残念ながら8月27日に打ち上げ中止となりました国産新型ロケット「イプシロン」。
8月26日(月)にNHKクローズアップ現代で「世界市場をつかめ 新型ロケット イプシロン」として取り上げられました。
H2Aから実に12年ぶりの新型ロケットで、今後10年で2倍の320億円に増えるとも言われています宇宙ロケットの市場規模を見据えての開発です。
競合にはアメリカ、ロシア、EU等がいます。
これまで日本のロケット開発、製造は国からの発注に頼り、高コスト体質から抜け出せずにいました。
それを今回の3年間におよぶ開発では、「開発者視点からユーザー視点」からコスト削減の為の工夫が色々なされており、打ち上げ費用は36億円とH2Aロケットの約3分の1と飛躍的に安くすることを可能にしました。
・小型・軽量化→全長24メートル(H2Aは53メートル)
・省力化→点検作業を100人規模の技術者がやっていた点検作業を、世界で初めてコンピューターが行う
・汎用化→搭載する人工衛星もイプシロン専用のものを開発
・共通化→ロケットの1段目は、H2Aロケットの補助エンジンをそのまま転用
この中で最大の目玉は点検作業のコンピューター化で、複雑な点検作業に必要な熟練の技術者の判断をプログラム化しコンピューター「ローズ」を誕生させました。
こうした結果、発注から1年で製造ができ、打ち上げ射場での現場作業も1週間でできるという大幅な期間短縮につながりました。
開発責任者は「これまでのロケットの打ち上げ方を、一歩一歩改革するという、そういうセンスではなくて、10歩とか200歩いきなり跳躍させてしまう。」というセンス・発想で開発したと語っていました。
ロケット打ち上げの信頼性は95%以上の成功率と言われています。
もし1回目の打ち上げで失敗すれば、成功率0%、失敗率100%。
その1回の失敗の信頼を回復するのにその後19回の連続した成功が必要になります。
何としても成功させねばなりません。
以上、皆様のお役に立てば幸いです。
参照:
NHKクローズアップ現代 「世界市場をつかめ 新型ロケット イプシロン」 全文表示
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3390_all.html
投稿者:株式会社コストダウン 日時:23:59 | 記事URL