18日(木)に放映されましたNHKクローズアップ現代 「拡大する"ブラック企業"~過酷な長時間労働~」を観ました。
その中で、「残業時間が月平均80時間を超える長時間労働を続けると過労死の危険が高まるとされている」ということを知りました。
そのことについて色々と調べましたところ、厚生労働省は2001年(平成13年) 「脳・心臓疾患の(労災)認定基準の改正について」の中で、
1.発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること
2.発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること を踏まえて判断すること。
としています。
ここで「脳・心臓疾患の認定基準」は正式には「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」と称するもので平成7年(1995年)に制定されました。
また過労死の認定基準の根拠となった「脳 ・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会報告書」の中では、睡眠時間と時間外労働との関係について算出されており、「1日の労働時間が8時間を超えて、時間外労働を2時間程度、4時間程度及び5時間程度行っているとすると(平均勤務日数21.7日を乗じるとそれぞれ約45時間、80時間及び100時間になる)、これが1ヵ月継続した状態では、それぞれ睡眠時間は平均して7.5時間、6.0時間及び5.0時間となる」としています。
相前後した感がありますが、なぜここまで睡眠時間のことが触れられているかと申しますと、
「脳 ・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会報告書(平成13年11月)」の、
「脳・心臓疾患のり患率などとの関係では、 睡眠時間が6時間未満では狭心症や心筋梗塞の有病率が高く 、 睡眠時間が5時間以下では 脳 ・心臓疾患の発症率が高く、睡眠時間が4時間以下の人の 冠(状 )動脈性心疾患による死亡率は 7 ~ 7.9 時間睡眠の人と 比較すると2.08 倍であるなど、長期間にわたる 1 日 4 ~ 6 時間以下の睡眠不足状態では、 睡眠不足が脳・ 心臓疾患の有病率や死亡率を高めるとする報告がある。 」
ということに基づくものです。
最後に厚労省の発表によりますと平成24年は精神障害の労災認定件数が475件(前年度比150件増)と過去最多だったということです。
以上、皆様のお役に立てば幸いです。
参照:
厚労省 2001年(平成13年) 「脳・心臓疾患の認定基準の改正について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0112/h1212-1.html
厚労省 2001年(平成13年) 「脳 ・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会報告書」
http://www.joshrc.org/~open/files/20011116-004.pdf
厚労省 『平成24年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」まとめ ~精神障害の労災認定件数が475件(前年度比150件増)と過去最多~』
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034xn0.html
NHKクローズアップ現代 「拡大する"ブラック企業"~過酷な長時間労働~」 全文表示
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3403_all.html
投稿者:株式会社コストダウン 日時:19:59 | 記事URL