2日(水)に放映されましたNHKクローズアップ現代「ムダの"見える化"で 医療の質を上げろ」を観ました。
日本人の高齢化に伴い今では国の医療費は過去最高38兆円になっております。
病院では患者に関するカルテ、手術、検査、薬、レセプトの記録情報が膨大過ぎて有効に活用出来ない実情があります。
それに対して岐阜大学付属病院では部署毎に保管してきた様々な患者のデータを集約することで問題点を浮き彫りにするような取り組みを含めた改革が9年前から行われています。
一例として、
1度目の手術で予定を3時間以上オーバーした場合、手術後1週間以内の再手術の確率が2倍以上になることがわかりました。
なぜ長時間オーバーしてしまったのか?
医師への聞き取りの結果、準備不足が浮き彫りになり、予定を3時間以上超えた手術について医師に理由を報告させるようにしたところ、医師は準備に力を入れ、再手術が30%減少しました。
また病院のコストの2割を占める薬剤費について、多くの患者に大量に使われる抗生物質に着目し、医師の処方を薬剤師がリアルタイムで見られるようにし、医師と連携、適切な使用を推進するようにしました。
こうしたことを含む改革の結果、患者が早く退院できるようになり、平均の入院日数は、19日から13日に短縮され、年間6億円の医療費の削減につながったのです。
また9年前の改革と比較して病院収入が1.8倍の180億円になったということです。
患者良し、病院良し、国良しのWin・Winです。
解説者によりますと同様の取り組みが行われているであろう病院は500程度ではないかということです。
キーポイントは膨大なデータの分析、現場への反映です。
ビッグデータの分析には多額の費用が必要になります。
その費用が捻出出来ない病院も多々、あることでしょう。
ですから例えば先に上げた予定を3時間以上超えた手術について医師に理由を報告させるようにするということは取り組み易いことです。
各病院がそれぞれの取り組みについて情報開示・共有することをどんどん促進して欲しいと思います。
以上、皆様のお役に立てば幸いです。
参照:
NHKクローズアップ現代 「ムダの"見える化"で 医療の質を上げろ」 全文表示
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3410_all.html
投稿者:株式会社コストダウン 日時:08:27 | 記事URL