11月25日(月)に放映されましたNHKクローズアップ現代 「このままでは"もったいない"~動き出した食品ロス対策~」を観ました。
その中で私(代表 片桐)は食品メーカー・卸→小売→消費者という流通の間の「3分の1ルール」という商慣習を初めて知りました。
これは食品業界で15年ほど前から出来た商習慣です。
「3分の1ルール」とは、食品の製造日から賞味期限までの期間を3等分に区切り、それぞれの流通段階の期限とします。
たとえば製造日が7月1日、賞味期限が10月1日(3ヵ月)の食品の場合、メーカーと卸でストックできるのは8月1日の納品期限まで、小売は、ストックしたり棚に陳列したりできるのは9月1日の販売期限までとなります。
納品期限の8月1日までの間、卸は小売の発注に従って食品を納品しますが、8月1日になると流通ルートから外され、そして小売に渡った食品は店頭で販売されるのは販売期限の9月1日までで、その日を過ぎると商品は食べられるものでも廃棄処分になります。
この「3分の1ルール」が、食品ロスを生み出す大きな原因となっています。
また、小売から追加の発注が卸に来たときに必要な在庫がないと、卸には欠品ペナルティとして、罰金や取り引き停止の処分が下される慣例となっています。そのため卸は、ロスが出る恐れがあっても常に多めの在庫を持たざるをえません。
小売サイドでも、消費者を呼び込むためには、多少の売れ残りが出ても商品の品ぞろえが重要と考えています。
この商習慣ができたそもそものきっかけは、1994年に食品衛生法が改正され、それまで「製造日表示」であったものが、「期限表示」=「賞味期限」に変わったことによるものだそうです。
そうなったことで消費者は賞味期限まで余裕があるものを選ぶようになりました。
この結果、日本における食品ロスは、年間500万〜800万トンと推計されています。
こうした悪循環を変えようと食品業界では今年(2013年)、本格的な改革として卸からの納品期限を2分の1に延長する取組が実験されました。
「3分の1ルール」を使っていた9月は200ケース以上あったロスが、「2分の1」に延長した10月は僅か3ケースに減少しました。
しかし一方で小売の販売期限が延びるわけではありませんので、店頭でのロスは相変わらず発生してしまいます。
食品ロスの半分は流通過程で、残りの半分は家庭から出てくるとも言われています。
食品ロスを大幅削減する為には、1994年の食品衛生法改正がきっかけになった流通、消費者の意識、考え、姿勢を変え、「もったいない」食品ロスに目を向け、消費者は「買った以上、使う 使わないなら買わない」、製造・卸・小売は「売り切る」、「欠品を理解してもらう」という姿勢・取り組みが必要なようです。
以上、皆様のお役に立てば幸いです。
参照:
NHKクローズアップ現代
「このままでは"もったいない"~動き出した食品ロス対策~」 全文表示
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3436_all.html
投稿者:株式会社コストダウン 日時:20:40 | 記事URL