トピックス

2015年6月15日

お店でBGMを流す場合

 今月9日、JASRAC(日本音楽著作権協会)がBGM使用で一斉調停申し立てを行い、そのことが各方面からニュースになりました。

 弊社もトピックスで「JASRAC BGM使用で一斉調停申し立て−15都道府県、171事業者、258施設」として取り上げました。

 お店などの施設にでCD・テープなどの録音物や有線放送等によりJASRAC管理楽曲をBGM(背景音楽)利用する場合の使用料は、原則として一演奏場所を単位として下表に基づき算出されます。

お店などでのBGM使用料
区分
店舗面積
(店舗等の場合)
宿泊定員
(宿泊施設の場合)
年額使用料
(別途消費税相当額を加算)
1
500㎡まで
100人まで
6,000円
2
1000㎡まで
200人まで
10,000円
3
3,000㎡まで
300人まで
20,000円
4
6,000㎡まで
400人まで
30,000円
5
9,000㎡まで
500人まで
40,000円
6
9,000㎡を超える場合
500人を超える場合
50,000円

 以下、Yahoo!ニュースでの栗原 潔氏(金沢工業大学客員教授)の解説によりますと、

 これは1999年の著作権法改正(附則14条の廃止)により、飲食店等でCDをプレイすることも著作権法上の「演奏」として扱われるようになったことから、たとえ自分で買ったCDであっても、店舗でBGMとしてかける場合(=営利目的)には著作権者(=JASRAC)の許諾が必要になりました。

 もし使用料を支払わずに音楽を流す場合はどうすれば良いか。

 一番簡単なのはラジオをそのまま流すことで、この場合は著作権法38条3項により著作権者の許諾は不要です。

 38条3項 放送され、又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。)は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる。通常の家庭用受信装置を用いてする場合を用いてする場合も、同様とする。

 あくまで「放送された」著作物ではなく、「放送される」著作物なので、あくまで放送をそのままリアルタイムで流す場合で、放送をいったん録音した場合は適用されません(そもそもこの場合には複製権の処理が必要になってしまいます)。

 ちなみにインターネットラジオは「ラジオ」というくらいなので「放送」と思われがちですが、著作権法上は(少なくとも文化庁による解釈上は)「自動公衆送信」なので、38条3項は適用されないということです。

 以上、皆様のお役に立てば幸いです。

 参照:

 JASRAC(日本音楽著作権協会) 「各種施設でのBGM」
 http://www.jasrac.or.jp/info/bgm/index.html

 同 使用料規定  http://www.jasrac.or.jp/profile/covenant/pdf/royalty/rylty12.pdf

投稿者:株式会社コストダウン 日時:23:59 | 

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