本日(23日)の日経朝刊 第1面に掲載されました。
昨日(22日)、公示地価が国土交通省から発表されました。
2016年1月1日時点の公示地価は全国平均(全用途)で前年比0.1%上昇し、2008年以来8年ぶりにプラスに転じました。
住宅地は0.2%下落で8年連続の下落となりましたが、マイナス幅は前年(0.4%)より縮まりました。
商業地は0.9%上昇し、前年の横ばいから、8年ぶりのプラスとなりました。
商業地で東京、名古屋、大阪の三大都市圏は2.9%上昇し、札幌、仙台、広島、福岡の主要4都市平均も5.7%上昇しており、大都市を中心に大きく伸びました。
住宅地は三大都市圏で0.5%上昇し、3年連続のプラスとなりました。
地方圏は全体でマイナスが続きましたが、札幌や福岡など主要4都市は2.3%上昇し、三大都市圏を上回る伸び率となりました。
一方、地方圏は主要4都市を除けば1.0%下落しており、地方圏の中でも明暗が鮮明で、秋田、鳥取、鹿児島の3県では住宅地、商業地ともに2%以上の下落が続きました。
地価上昇の起点となったのはアベノミクスによる大規模な金融緩和で、日銀は2014年10月に追加緩和に踏み切り、投資マネーが不動産市場に向かいました。
日銀自身も昨年、市場から不動産投資信託(REIT)を約920億円買い増し、累計で約2,900億円になっています。
銀行による不動産業向けの新規貸し出しも昨年に26年ぶりに最高を更新しました。
また昨年は円安基調で海外投資家にとって日本の不動産が割安に映り、海外からも資金が流入したとみられます。
今回は日銀が1月29日に決定したマイナス金利政策の影響を織り込まれておらず、REITなどを通じて、投資マネーが都心部の商業地などに向かい、一部で過熱感が出てくる可能性があります。
なお、自分の知りたい地点の個別地価等を知るには、
「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」サイト
http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=1&TYP=0
で検索して下さい。
以上、皆様のお役に立てば幸いです。
参照:
国土交通省 「平成28年地価公示結果の概要」
http://tochi.mlit.go.jp/chika/kouji/2016/00.html
同 「公示価格年別対前年平均変動率」
http://tochi.mlit.go.jp/chika/kouji/2016/42.html
同「第5表 都道府県別・用途別対前年平均変動率」
http://tochi.mlit.go.jp/chika/kouji/2016/09.html
同「3.上昇・横ばい・下落の地点数の推移」
http://tochi.mlit.go.jp/chika/kouji/2016/44-3.html
投稿者:株式会社コストダウン 日時:06:59 | 記事URL