本日(22日)の日経朝刊 トップに記事掲載されました。
昨日(21日)、公示地価が国土交通省から発表されました。
住宅地の価格の下げ止まり基調が鮮明になってきました。2017年1月1日時点の公示地価は全国の住宅地が前年比0.022%プラスと2008年以来、9年ぶりに上昇に転じました。
景気の緩やかな回復や低金利を背景に、先に上昇した商業地を追いかけます。
全用途は0.4%プラスと2年続けて上昇しました。地方への波及が息長く続くかが焦点です。
住宅地は前年の0.2%下落から下げ止まり、リーマン・ショック直前2008年以来のプラス。低金利と住宅ローン減税による需要下支え効果で総じて底堅く推移しました。通勤や買い物に便利な駅から徒歩圏内の地価が上がり、駅から離れた不便な場所の地価は下がるという二極化が全国的に拡大していますが、けん引役が地方にも増えたのが大きい。
ただ回復の勢いは緩やかで、一足早く住宅地の地価が上昇した三大都市圏は上昇率が0.5%と前年並み。都心では価格高騰でマンション販売が鈍り、大阪圏と名古屋圏の住宅地の上げ幅は縮みました。住宅地は1万7909地点のうち上昇34%、下落43%と、なお下落地点が多い。
弱さの残る住宅地に対し、商業地は安定して上昇基調を保っています。1.4%上昇と2年連続プラスで、前年の0.9%上昇から上げ基調を強めました。2年連続のプラスは2007~08年以来です。オフィス需要が堅調。訪日客が集まる都市を中心に店舗の収益性が高まりホテル用地の確保も相次ぐ。三大都市圏が3.3%上昇し、札幌、仙台、広島、福岡の地方4市も6.9%上がりました。
全国の最高地価は11年連続で東京都中央区銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」でした。1平方メートルあたり5050万円と1年前に比べ25.9%上昇しました。調査地点が異なるため単純比較はできませんが、東京23区の最高価格としてはすでにバブル期を上回りました。もっとも全国平均は2008年の8割強の水準にとどまります。
三大都市圏を除く地方圏は商業地がマイナス0.1%、住宅地がマイナス0.4%。ともに25年連続の下落ですが、マイナス幅は7年連続で縮まりました。都道府県別では、商業地は奈良と岡山、住宅地は京都と広島が小幅な上昇に転じました。下落が続く地域もおおむね下落率が縮小し、商業地で2%以上の下落は秋田、新潟、鳥取、鹿児島の4県だけです。
地方の中核都市では交通インフラ整備や再開発で利便性が高まり、地価が上昇しています。商業地の上昇率は札幌市が6.1%、仙台市が9.0%、広島市が4.7%、福岡市が8.5%。三大都市圏より割安で、比較的高い利回りを確保できるとして投資マネーを集めている面もあります。
工業地も2008年以来9年ぶりのプラスに転じました。大型物流施設の立地が相次ぎ、地価を押し上げています。
なお、自分の知りたい地点の個別地価等を知るには、
「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」サイト
http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=1&TYP=0
で検索して下さい。
以上、皆様のお役に立てば幸いです。
参照:
国土交通省 「平成29年地価公示結果の概要」
http://www.mlit.go.jp/common/001208842.pdf
同 「公示価格年別対前年平均変動率」
http://www.mlit.go.jp/common/001208901.pdf
同 「第5表 都道府県別・用途別対前年平均変動率」
http://www.mlit.go.jp/common/001208853.pdf
同 「3.上昇・横ばい・下落の地点数の推移」
http://www.mlit.go.jp/common/001208907.pdf
投稿者:株式会社コストダウン 日時:23:59 | 記事URL